映画

映画「スペシャルアクターズ」 ネタバレあらすじ 公開初日に見た感想。

2018年公開の映画「カメラを止めるな!」。
この映画は予算たったの300万円で、
当時無名の監督と新人が製作したインディーズ映画ですが、
そのおもしろさから瞬く間に人気に火が付き、
2018年の邦画興行収入ランキング7位に輝きました。

「カメラを止めるな!」は本当におもしろかったので、
上田慎一郎監督の最新作「スペシャルアクターズ」に
とっても期待していました。

 

とはいえ、カメラを止めるな!ほどのおもしろい映画は作れるのかな?
と半信半疑で公開初日に見にいきましたが、
とってもおもしろかったです!

あらすじとかのネタバレも含むので、
ネタバレを読みたくないかたは
映画を見てからぜひ戻ってきてください(^^)。

ムッスー!

 

 

目次

 



「カメラを止めるな!」の上田慎一郎監督の最新作。

 

2018年に大人気だった「カメラを止めるな!」の上田監督の最新作なので、
映画館も混むかな?と思って、午前の上映回に時間通りに行ったら、なんと・・・・・。

 

映画館に私一人でした。

 

え。なんで?

金曜日だから?
レディースデイじゃないから?

真っ暗な中に1人って、オバケとか怖いんだけど。
ほら、舞台ってオバケが出るとか言うじゃない?

もちろん!信じてないけど、ここは舞台じゃなくて映画館だけど、いやでも、
暗い中に1人はちょっと。
しかも内容はカルト集団とかでしょ?

 

ヤダなーと思っていたら、
予告上映も終わる頃に1人お客さんが来てくれて
心底ほっとしました・・・。

良かったー。

 

(映画はとってもおもしろかったので、もっとみんな見てほしいです!)

 

キャスト。ほとんどが新人!?

 

キャストはなんと!ほとんどが新人だそうです。
主人公にいたっては10年で3回しか演技をしたことがないとか・・・。

そんな人でも普通に主役を演じられるんだから
プロデューサーや監督の力すごいと思いました。

(もちろん役者さんの実力もあるんだろうなと思います。)

 

キャストは、主に3つのグループにわけられます。

 

①スペシャルアクターズグループ。
演技の力で困った人を救います。

②新興宗教「ムスビル」グループ。
おむすびのようにエネルギーを貯めてパワーを感じる?
とにかく怪しい新興宗教。実際は詐欺集団です。

③旅館めぶきグループ。
「ムスビル」に乗っ取られようとしている古い旅館。
心配した妹がスペシャルアクターズに助けを依頼します。

 

ちなみに、映画のお話が決まっていてそこに俳優さんを合わせたんじゃなくて、
先に俳優さんを選んで俳優さんたちの個性を生かす映画作りをしたそうです。

役名は実際の役者さんの名前とかぶっていておもしろいです。



 

出典元:http://special-actors.jp/#cast

 

スペシャルアクターズグループ。

 

大野和人(大澤数人)
緊張すると気絶する役者志望の主人公。
偶然出会った弟、宏樹にスペシャルアクターズに誘われる。

大野宏樹(河野宏紀)
和人の弟。スペシャルアクターズで役者をしている。

富士松卓也(富士たくや)
スペシャルアクターズの社長。
社員に「ボス」と呼んでほしい。

富士松鮎(北浦愛)
社長の娘。演技指導担当。

田上陽介(上田耀介)
社員(シナリオ担当)。
社長がキメたい部分を持って行ってしまうことが多い。

清水八枝子(清瀬やえこ)
社員。「しばられてみたかった〜」「さるぐつわされてみたかった〜」と
演技を楽しんでいる。

丹後真由(仁後亜由美)
社員。怪しい占い師や怪しい霊能者を演じる。
(プロフィール見たら意外と若くてびっくりです。35歳。)

鬼塚(宮島三郎)
役者。ロングヘアーの男性。

 

新興宗教「ムスビル」グループ

 

大和田多麿瑠(淡梨)
「ムスビル」の教祖様。
全能の神ガゼウスの十の力を授かる代わりに声を失う。
淡梨は「たんり」と読むそうです。
モデルさんかな?186センチもあるそうです。
この人の演技は怪しいあやつり教祖にしか見えなかったです。

大和田克樹(三月達也)
教祖の父。しゃべれない教祖の代わりに
教祖の教えをみんなに伝える。

七海(櫻井麻七)
教団幹部。
色仕掛けで若い男性を勧誘。

河田隆弘(川口貴弘)
教団幹部。

麻奈(南久松真奈)
信者。教団に救われたと涙を流す。

山本(山下一世)
信者。教団を守ろうと過激な行動に出る?

 

旅館「めぶき」グループ

津川里奈(津上理奈)
旅館の女将。ムスビルに旅館を乗っ取られそうになっている。

津川祐未(小川未祐)
女将の妹。旅館乗っ取りを阻止したい。

廣瀬(広瀬圭祐)
めぶきの番頭。

 

原田拓己(原野拓巳)
主人公の大野和人が通うメンタルクリニックの先生



 

ネタバレあらすじ。「カメ止め」を意識した?まさかの結末。

めっちゃネタバレしています。

ネタバレを見たくない方は見てからの方がいいです!

 

 

弟との再会。

 

主人公大野和人は役者志望の男性。
ですが、緊張すると気絶してしまうという悩みを抱えていて、
そのせいでオーディションもうまくいきません。

メンタルクリニックの先生に相談するも
明確な解決策は得られません。

 

家賃も払えず、電気料金も払えないのにガードマンのバイトもクビになってしまいます。

 

昔から憧れていたヒーロー「レスキューマン」のようになりたいのに
現実はうまくいかない・・・。

 

レスキューマン。引用元:http://special-actors.jp/#story

 

 

そんな中、和人はガラの悪い男にからまれているカップルを見ます。

助けないと、と思っているうちにカップルの彼がガラの悪い男をやっつけ、
彼女は助けてくれた彼にうっとり。

 

実はガラの悪い男は和人の弟、宏樹でした。

 

なんと、からんでいたのはすべて演技。

「彼女の前でいいところを見せたい」という依頼に
役者として対応していただけだったのです。

 

宏樹は「役者としてなんでも解決すること」が売りの
変わった役者集団「スペシャルアクターズ」で働いていました。

 

昔は「起業して金持ちになる!」と言っていた宏樹でしたが
和人の影響を受けて、今は役者をしているというのです。

 

スペシャルアクターズに来る依頼内容はさまざま。

 

大企業の社長のお葬式で泣くことだったり、
お店にサクラとして行列を作ることだったり、
ホストにはまっている娘をさまざまな役者の演技によって止めることだったり。

 

宏樹は和人をスペシャルアクターズに誘います。

緊張すると気絶してしまうことが心配な和人は最初は断りますが、
お金が必要なため、しかたなくスペシャルアクターズで働くことにしました。



 

旅館を悪徳詐欺集団から救ってほしいという依頼。

 

和人がスペシャルアクターズで働いてしばらく経った頃、
旅館を詐欺集団から救ってほしいという依頼が舞い込みます。

依頼者は旅館の女将の妹。
女将である姉は両親が自分の運転する車で事故で亡くなって以来
すっかり落ち込んでいたところに目をつけられ、
新興宗教集団「ムスビル」に傾倒していました。

両親が守ってきた旅館も乗っ取られようとしていたのです。

 

教団幹部(左)と教祖の多麿瑠(右)。出典元:http://special-actors.jp/#story

 

 

スペシャルアクターズの役者や社長が一丸となって
依頼に取り組むことになりました。

まずは潜入。

だまされたフリをするため、お揃いのシャツもそろえます(9800円!領収書ナシ)

 

和人と宏樹。出典元:http://special-actors.jp/#story

 

 

内部に入ってみると、「ムスビル」は完全に黒でした。

金儲けしか考えていなくて、旅館を本部にしたら
「裏教典」を配布して、金儲けの全国展開をしようと考えていました。

 

旅館を救うためには教団の悪事を暴くこと、
つまり「裏教典を手に入れること」、そして
「教団幹部に旅館をあきらめさせること」が必須です。

 

教団の悪事を暴くのに成功。

 

和人は持病をかかえながらもなんとか演技をがんばり、
また、スペシャルアクターズのたくさんの俳優のおかげで、
裏教典も無事に手に入れることができ、
幹部も旅館をあきらめることになりました。

次は最後の仕上げです。

信者の前で教団の嘘を暴き、
女将やほかの信者に目を覚ましてもらいます。

 

そのために和人が、憧れのヒーロー「レスキューマン」として、
あらかじめまぎれていた役者とともに
本当の信者の前で大立ち回りを演じます。

そして、教祖の多麿瑠さまと多麿瑠の父親のところへきたとき、
怖がった多麿瑠さまが思わず「とうさん!」と声を出してしまいます。

 

それを見て固まる本当の信者たち。

たたみかけるように、そこに「裏教典」の映像が流れます。

 

内容は石ころを高く売りましょうとか、
信者にする対象は友達の少ない20代や40代以上の専業主婦を!などと
指導していて、最後は
「みなさん教団として大いに儲けていきましょう!」と締められていました。

詐欺集団としてのムスビルの姿がばれ、
和人とスペシャルアクターズの俳優たちは大成功をおさめたのです。



 

和人のその後と宏樹の本当の姿。

 

レスキューマンとして演じることを成功させたことにより、
気絶する持病を克服した和人。

今も相変わらずオーディションを受ける日々。

ですが今は、前と違って監督に怒られても気絶することはなくなりました。

 

そんなとき、スーツに身を包んだ宏樹を見かけます。

しかも、多麿瑠や教団幹部らと一緒ににこやかに会話していました。

 

気になって調べてみたらなんと、宏樹は起業で成功していて、
「レスキューマン」という会社を興していました。

 

不審に思った和人は、スペシャルアクターズの事務所に行ってみます。

事務所には誰もいなかったのですが、
和人は鍵の在処を見つけて入ってみました。

 

そしたら、衝撃の事実がわかったのです。

 

 

これまでのことは、なにもかもがお芝居だったのです。

 

教祖も幹部も依頼者もみんな役者。

 

今回の件は、「兄の病気を治したい」と弟宏樹が依頼したことにより、
和人を治すために仕掛けられた壮大なお芝居だったのです。

 

メンタルクリニックの医師の監修を受けてシナリオが作られた
和人を治すためのお芝居だったのでした・・・・・。

 

 

感想と評価。

 

いやー、そうきたかー、という感じでした。

最後の「全部お芝居でした!」というのがなくても、十分面白い映画だったと思うのです。

そこを、あえてどんでん返し的な「全部お芝居でした」を入れたのは、
前作を超える映画を作る、作らないと、というプレッシャーからなのかな、と思いました。

最後の設定はおもしろいんだけど、
「前作への対抗」という感じが強くするのですよね。

おもしろいんだけど。

いや、やっぱりおもしろかったです!



 

一歩引いた視点。

 

まだ上田監督の映画は2作品しか見たことがないですが、
こういう感じの、「一歩引いた視点」で見るというのが
おもしろい手法だなと思います。

「カメラを止めるな!」も映画を見ていると思ってたら
その映画を撮っている物語の話だった。

 

スペシャルアクターズでも、観客は一度だまされます。

ピンチ!と思ったら実は役者が演じていただけだった。
というシーンが途中であります。

これは、主人公の和人もそのことは知っているので、
観客は和人にだまされています。

 

でも最後は、和人自身も宏樹にだまされていました・・・。
(宏樹は和人のためにやっていたので、だますという言い方は言い方が悪いですが。)

 

映画を見る人にとっては、二段階で「だまされたー!」となります。
(だまされるという言い方は悪いのですが・・)

 

この視点がおもしろいなと思います。

 

一生懸命やっていると思ったら、
それはお芝居の一役者を演じていただけだった、という視点が面白いなと思います。

 

生きていたらいいこともそうじゃないことも起きるけど、
そんなときは一歩引いて、
自分と言う役を演じているという心がけでいくと
冷静になれるのかなと思いました。

 

 

小ネタ集。

 

個人的に面白かった点いくつか。

スペシャルアクターズの事務所に貼ってあった映画のポスターのタイトルが

「SAVE ME」
「星守る魔女」
「君の初恋を守りたい」

で、どれも「救う」や「守りたい」「守る」が入っていたのがおもしろかったです。

主人公を守って助けたい宏樹の気持ちかなと思いました。

 

また、新興宗教の勧誘で入会金3万円が今なら9800円!って
きゅっぱって!と思いました(^^;)。



 

「ムスビル」のグッズが高い。そして怪しい。

映画の公式サイトにムスビルのサイトがあります笑。

そこにのっている開運浄化グッズのかずかず。

出典元:http://special-actors.jp/musubiru/index.html

 

ファブリーズみたいにシュッシュとしてたけど、怪しい&高い(≧▽≦)。

 

出典元:http://special-actors.jp/musubiru/index.html

 

ブロマイドって!
映画ではスペシャルアクターズの役者が逃げるときにブロマイドを地面にまいて、
幹部や信者が通れないようにしていました。
(教祖様の写真は踏めない笑)

 

そしてこれー!

 

出典元:http://special-actors.jp/musubiru/index.html

ガゼウスポッド。半径50メートルを惑星ムスビルの環境に疑似変換。

いやー。こんなの買う人いるのかな??

玄関に置くといいらしですが、高すぎですね〜(≧▽≦)。



 

舞台挨拶。

 

映画公開を記念して、三日間連続で舞台挨拶をするそうです。

滋賀、京都、大阪、名古屋、東京だそうです。

なぜ滋賀?と思ったのですが、監督の出身地なのですね!納得です。

 

舞台挨拶の詳細はこちらのサイトからご覧ください。

 

上映館

上映館はこちらからご覧ください。

http://special-actors.jp/theaters/index.html

 

私は茨城のTOHOシネマズひたちなかで鑑賞しました。

シネマイレージ会員なので、6回見ると1回タダで見ることができてお得です(^^)。

 

 

 

以上、スペシャルアクターズを見ての感想やネタバレあらすじでした!

役者さんたちが意外とうまくてびっくりしました。
怪しい役の人は怪しい人にしか見えない(^^;)。

 

おもしろかったのでもう一回見たいです!
監督の「お芝居愛」が感じられるとっても素敵な映画でした。

 

読んでいただいてありがとうございました。

記事内画像出典:http://special-actors.jp/